特集 新型ウイルスの最新情報と対応
インフルエンザの治療(脳症を含む)
河島 尚志
1
,
森地 振一郎
2
,
山中 岳
3
1東京医科大学小児科・思春期科学分野 主任教授
2東京医科大学小児科・思春期科学分野
3東京医科大学小児科・思春期科学分野 准教授
キーワード:
抗ウイルス薬
,
耐性ウイルス
,
脳症
,
高サイトカイン
Keyword:
抗ウイルス薬
,
耐性ウイルス
,
脳症
,
高サイトカイン
pp.53-58
発行日 2021年1月20日
Published Date 2021/1/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.01_0053-0058
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インフルエンザウイルスはオルトミクソウイルス科に属し,8本の分節性のマイナス鎖の一本鎖RNAとエンベロープからウイルス粒子を形成し,ウイルス粒子内部にRNA依存RNAポリメラーゼをもつ。A型インフルエンザウイルスは分節の組み合わせによりヒト以外にも鳥,ブタなどに感染可能で,抗原シフトが容易に起こり,これらの変異がパンデミックの原因となる。一方,B型インフルエンザはヒトとアシカ亜目のみに感染し,宿主域が狭く,A型と比較してパンデミックが発生しない。どちらの型も,RNAウイルスであり突然変異による抗原ドリフトは起こりうるため,強毒株が発生する可能性は常にある。本稿では,インフルエンザの治療,また,重症化の一病態であるインフルエンザ脳症の治療法を中心として記載する。「KEY WORDS」抗ウイルス薬,耐性ウイルス,脳症,高サイトカイン
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