特集 腰痛診療perspective
特集にあたって
中村 耕三
1
1東京大学名誉教授
pp.7-8
発行日 2020年1月20日
Published Date 2020/1/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.01_0007-0008
- 有料閲覧
- 文献概要
腰痛は有訴者率で男性で1位(92.2/人口1,000人),女性は2位(118.2/人口1,000人)(2016年,国民生活基礎調査)で,その膨大な対象者を考えると,運動器専門家のみならずより広い医療サイドを含む取り組みが必要である。腰痛診療ガイドラインが改訂され,作成方針として対象が一般臨床医とされていること,内容として腰痛患者のトリアージとプライマリケアを主体としたことはその背景の表れであろう。腰痛はいうまでもなく「症状」であって,その背後には複数の病態が存在している。運動器の病態(pain generators)として,椎間板-終板障害,椎間関節障害,筋疲労,神経根・馬尾障害,姿勢異常の重要性が知られており,また,腰痛の遷延化・慢性化には社会心理的要因の関与がある。
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.