特集 変形性関節症診療の新たな展開
変形性関節症(股関節)のガイドライン
加来 信広
1
1大分大学医学部整形外科学 准教授
pp.29-33
発行日 2017年6月20日
Published Date 2017/6/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.35.06_0029-0033
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2008年にわが国での変形性股関節症診療ガイドラインの初版1)が出版された。初版では変形性股関節症(以下,股関節症)を疫学,病態,診断,保存療法,関節温存術と人工股関節全置換術(total hip arthroplasty;THA)の6つの章に分け,51題のclinical question(CQ)に対して,3,000以上の文献を基に,推奨度と解説が加えられた。股関節症の診療に役立つ基本的な知見として大いに貢献したと思われる。医学・医療の発展性から,ガイドラインの寿命は5年以内ともいわれる。本疾患においても,近年において大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoroacetabular impingement;FAI)などの新しい概念の浸透や,人工股関節の中・長期成績から,メタルオンメタルTHAにおいては金属材料がもたらす危険性が判明するなど,改めるべき見識がみられた。「key words」ガイドライン,変形性股関節症,日本整形外科学会,日本股関節学会,改訂版
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