Japanese
English
特集 整形外科治療における最近の進歩
変形性股関節症
Osteoarthritis of the Hip.
黒木 良克
1
Yoshikatsu Kuroki
1
1昭和大学藤が丘病院整形外科
1Department of Orthopedics, Showa University Fujigaoka Hospital.
キーワード:
変形性股関節症
,
骨切り術
,
人工股関節置換術
Keyword:
変形性股関節症
,
骨切り術
,
人工股関節置換術
pp.177-181
発行日 1985年3月10日
Published Date 1985/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105341
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はじめに
変形性股関節症は先天性股関節脱臼,臼蓋形成不全症,ペルテス病,大腿骨頭壊死,股関節炎,外傷などのあとに発生する二次性関節症が大部分で,いわゆる一次性と呼ばれる原因不明のものは非常に少ない.
症状は疼痛,跛行,運動制限が主で,関節周囲筋群の萎縮,骨萎縮もみられ圧倒的に女性に多く発生する.
痛みの原因は関節の不適合により軟骨破壊,骨棘,骨嚢腫形成により円滑な運動ができなくなり関節包の伸展性減少,骨内循環不全,滑膜炎症,関節軟骨炎症などによりおこる.
また臼蓋唇の断裂や炎症も関節鏡視で確認され,これも痛みの原因となっている.股関節の変形拘縮により腰部,膝,足関節部への影響もみられ,この部の痛みを訴えることも多い.変形性股関節症は人間が歩いて日常生活をしている以上,一度関節に破綻が生ずると不可逆的に進行するため,治療はこの進行する病態を停止させ如何にして良い関節適合および軟骨再生をうながすことである.
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