特集 変形性関節症診療の新たな展開
変形性関節症の薬物療法
内尾 祐司
1
1島根大学医学部整形外科学教室 教授
pp.35-39
発行日 2017年6月20日
Published Date 2017/6/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.35.06_0035-0039
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変形性関節症(OA)の治療目標は,本症に生じる疼痛や腫脹などの症状を緩和・除去し,病変の進行を阻止することによって,日常生活動作(activity of daily living;ADL)を拡大し,生活の質(quality of life;QOL)を向上させることにある。保存療法としての薬物療法には,日常生活指導や運動療法および装具療法などの非薬物療法と併用することが推奨される1)2)。使用する薬剤には,非ステロイド性抗炎症薬(non-steroid anti-inflammatory drugs;NSAIDs)やアセトアミノフェン(acetoaminophen),弱オピオイド(opioid)の内服・外用,ヒアルロン酸(hyaluronic acid;HA)やステロイド(steroid)などの関節内注射などがある。本稿では,前述のほかワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤,デュロキセチン(duloxetine)を加え,各薬剤の作用機序と本症に対する有効性および課題について概説する。「key words」非ステロイド性抗炎症薬,ヒアルロン酸,アセトアミノフェン,弱オピオイド,デュロキセチン
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