特集 がんのバイオマーカー:さらなる早期発見と的確な治療薬選択を目指して
バイオインフォマティクス解析によるがんバイオマーカー探索の現状と今後の展望
加藤 護
1
1国立がん研究センター研究所バイオインフォマティクス部門部門長
キーワード:
バイオインフォマティクス
,
がんゲノム
,
教師あり学習
,
人工知能
,
多遺伝子マーカー
Keyword:
バイオインフォマティクス
,
がんゲノム
,
教師あり学習
,
人工知能
,
多遺伝子マーカー
pp.45-51
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.11_0045-0051
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近年,国際がんゲノムコンソーシアム(ICGC)やがんゲノムアトラス(TCGA)などの大規模ながんゲノム・プロジェクトによって,複数がん腫・多サンプルの多彩なゲノム(オミックス)データが蓄積されるようになってきた1)。また細胞株についてもCancer Cell Line Encyclopedia,Genomics of Drug Sensitivity in Cancer,NCI-60のような大規模プロジェクトによって,豊富なゲノムデータが蓄積されてきている2)。臨床検体のゲノムに関しては,多くのケースでステージや予後のような臨床データも付随しており,また,ゲノムが判明した細胞株に関しては,薬剤感受性を測る研究も進んでいる3)。このようなデータを活用すれば,retrospectiveではあるが,網羅的に分子マーカーを探索できよう。膨大でノイズの多いゲノムデータのなかから,コンピュータによって意味のある情報を抽出する学問がバイオインフォマティクスであり,バイオインフォマティクス技術を適用することによって,そのようなデータから,偏りのない分子マーカーの探索が可能となる。「KEY WORDS」バイオインフォマティクス,がんゲノム,教師あり学習,人工知能,多遺伝子マーカー
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