特集 パーキンソン病診療update
iPS細胞治療:細胞移植治療から新薬開発まで
元野 誠
1
1京都大学iPS細胞研究所臨床応用研究部門
キーワード:
iPS細胞
,
細胞移植治療
,
分化誘導
Keyword:
iPS細胞
,
細胞移植治療
,
分化誘導
pp.53-56
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.07_0053-0056
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「はじめに」2014年9月,滲出型加齢黄斑変性の患者に対して,自家人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem cells;iPS細胞)由来網膜色素上皮シートの移植手術が行われた。iPS細胞から作製した組織を使って細胞移植治療を実施した例は,これが世界初であり,ヒトのiPS細胞が2007年に開発されてから7年目のことである。この7年間に細胞移植治療を目的とした研究が次々と行われ,マウスやラットを使った研究では治療効果の認められる結果が得られている(表)1)-16)。このように,iPS細胞は細胞移植という新しい治療法に利用されるだけでなく,新薬の開発に至るまで,幅広く利用されることが期待されている(図)。本研究室でもこのiPS細胞を使って,パーキンソン病の臨床研究に向けて取り組んでいる。本稿では,本研究室におけるパーキンソン病の臨床研究に向けての取り組みを例に,iPS細胞の利用法について概説する。「KEY WORDS」iPS細胞,細胞移植治療,分化誘導
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