特集 遺伝子治療の現在
遺伝子導入用ウイルスベクターの特徴と作製法
伴野 太郎
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1日本医科大学大学院医学研究科分子遺伝医学/国立成育医療研究センター成育遺伝研究部/筑波大学大学院人間総合科学研究科フロンティア医科学専攻
キーワード:
遺伝子治療
,
AAVベクター
,
レトロウイルスベクター
,
レンチウイルスベクター
,
アデノウイルスベクター
Keyword:
遺伝子治療
,
AAVベクター
,
レトロウイルスベクター
,
レンチウイルスベクター
,
アデノウイルスベクター
pp.15-22
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.04_0015-0022
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「はじめに」欧州で遺伝子治療薬が販売承認されたことをきっかけに,従来の再生医療に偏重していた研究の流れが,再び遺伝子治療に傾きつつある1)。遺伝子治療を実現するためには遺伝子を運ぶベクターが必要であり,このためのウイルスベクターが広く研究されている(表1)。ウイルスベクターは目的の遺伝子をベクターに搭載したものであり,ウイルスが細胞に感染する仕組みを利用して遺伝子を導入する役割を果たす。遺伝子治療用のベクターとして,生体に直接投与するin vivo法にはアデノ随伴ウイルス(adeno-associated virus;AAV)ベクターやアデノウイルスベクターが主に用いられ,体外でベクター感染させた幹細胞などを増殖させ投与するex vivo法には主にレトロウイルスベクターやレンチウイルスベクターが用いられる。それぞれについて固有の特徴があり,製造・精製法もさまざまである。本稿ではおのおのの特徴や製造・精製法について概説する。「KEY WORDS」遺伝子治療,AAVベクター,レトロウイルスベクター,レンチウイルスベクター,アデノウイルスベクター
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