特集 小児血管炎診療の基礎と臨床―IgA血管炎や川崎病だけではない多様な全身性疾患群―
Ⅱ.血管炎診療のコツと進歩
血管炎診療のコツ
宮前 多佳子
1
1東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学分野
キーワード:
高安動脈炎
,
結節性多発動脈炎
,
自己炎症性疾患
,
血管炎
Keyword:
高安動脈炎
,
結節性多発動脈炎
,
自己炎症性疾患
,
血管炎
pp.1141-1145
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001788
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
SUMMARY
▷川崎病,IgA血管炎以外に小児領域で遭遇する比較的頻度の高い全身性原発性血管炎には,高安動脈炎,結節性多発動脈炎があげられる.
▷全身性原発性血管炎の臨床像は,炎症による全身症状と血管炎症による栄養臓器症状に大別される.局所的特異的な症状や所見を欠く場合,不明熱としての鑑別を進めることが必要となる.
▷治療に関しては,グルココルチコイド主体の治療から,免疫抑制薬,生物学的製剤の併用が主流となった.より早期の確かな診断に基づいた,適切な治療選択により長期予後の改善が期待できる.
▷自己炎症性疾患は,自然免疫系の異常により全身性の炎症を呈する疾患概念であるが,単一遺伝子変異による自己炎症性疾患のなかに血管炎の病態がみとめられるものが存在する.

Copyright © 2025, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.