特集 小児血管炎診療の基礎と臨床―IgA血管炎や川崎病だけではない多様な全身性疾患群―
Ⅰ.血管炎の分類と病理
コラム:血管炎研究の面白さ
針谷 正祥
1
1国際医療福祉大学
pp.1139-1140
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001787
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血管炎との出会い
この特集を読んでいる多くの小児科の先生方にとって,血管炎の代表的な疾患といえばIgA血管炎と川崎病であると思われる.この特集のサブタイトルからは,それら以外の血管炎にも目を向けてほしいという,本企画を担当した神田先生の声が聞こえてくる.筆者が病棟医として最初に経験した血管炎は,結節性多発動脈炎であった.全身性エリテマトーデスや炎症性筋疾患などと比べると結節性多発動脈炎は何となく全体像をつかみにくい疾患だなと,駆け出しの研修医だった筆者は思ったのを覚えている.その後,外来や病棟で膠原病・リウマチ内科医として診療経験を積んでいくなかで,やはり血管炎は難しい疾患だという印象はぬぐえなかった.
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