特集 不明熱診療最前線―基本アプローチから「横綱級」困難症例まで―
【診断困難な「横綱級不明熱」へのアプローチ】
診断困難な膠原病不明熱症例へのアプローチ
萩野 昇
1
1帝京大学ちば総合医療センター血液・リウマチ内科
キーワード:
自己抗体
,
血管炎
,
高安動脈炎
,
巨細胞性動脈炎
,
結節性多発動脈炎
,
リウマチ性多発筋痛症
Keyword:
自己抗体
,
血管炎
,
高安動脈炎
,
巨細胞性動脈炎
,
結節性多発動脈炎
,
リウマチ性多発筋痛症
pp.498-506
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102880
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
不明熱はなぜ「不明熱」になるか
不明熱の定義はここでは繰り返さない.不明熱の定義を必ずしも満たさない「炎症反応(血沈・CRPなど)上昇の長期にわたる持続」についても,不明熱と同様に4つのカテゴリー,すなわち感染症,腫瘍,リウマチ性疾患・膠原病(以下単に「膠原病」),その他,に大きく分類して鑑別していくことになる.
膠原病は,免疫の異常,すなわち「必要な時に必要な場所で起きて,不要になれば消える」という炎症のコントロールに不調をきたした状態である.問題は,感染症や腫瘍の時に臨床所見として観察される「炎症」と,膠原病の「炎症」を厳密に区別する検査は存在しないことであり,それゆえに多くの膠原病「分類基準」には適用の前提条件として「感染症,腫瘍の除外」があげられている.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.