特集 骨合併症(骨折,アミロイド症を含む)
コラム:透析患者の骨と血管石灰化
山田 俊輔
1
,
荒瀬 北斗
2
,
松枝 修明
1
1九州大学病院腎・高血圧・脳血管内科
2福岡東医療センター腎臓内科
キーワード:
骨代謝
,
心血管石灰化
,
透析
Keyword:
骨代謝
,
心血管石灰化
,
透析
pp.73-76
発行日 2024年1月10日
Published Date 2024/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002866
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骨は,骨形成と骨吸収の協働作業が絶えず行われ,その成長と発達過程,さまざまな内部環境に応じて,モデリング,リモデリング,ミニモデリングによって構造と機能が終生ダイナミックに変化する臓器である.骨形成と骨吸収を基盤とする骨代謝には,骨芽細胞,骨細胞,破骨細胞,その他の造血幹細胞や間質細胞などの多くの細胞が複雑に関与する.骨代謝の過程において,カルシウムやリンはもちろん,骨基質に埋め込まれた蛋白質,増殖因子,サイトカイン,extracellular vesicle(EV),microRNA,そして近年血管石灰化との関わりで注目されているcalciprotein particles(CPPs)などのさまざまな物質が骨から血中に流出する.これらの骨から放出された物質が遠隔臓器に作用して臓器機能に影響を及ぼす.一方,他臓器由来の液性因子,神経性調節,力学負荷も骨代謝に影響する.このように,骨は他臓器とネットワークを形成し,正常な骨代謝が営まれることは他臓器の健康にも重要である.
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