特集 これからのガイドラインの読み方,使い方
Ⅲ.海外のガイドラインから考える
SIDSとALTE(またはBRUE)
中川 聡
1
1国立育成医療研究センター手術・集中治療部集中治療科
pp.300-302
発行日 2025年4月20日
Published Date 2025/4/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001590
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Summary
■乳幼児突然死症候群(SIDS)の診断は,剖検および死亡状況調査に基づいて行う,とガイドラインに記されている.すなわち,解剖なしでこの診断がつけられないことを認知する必要がある.
■乳幼児突発性危急事態(ALTE)は,観察者が児(多くの場合は乳児)が死亡するのではないかと思わしめるエピソードをさすが,これは徴候であり診断名ではない.これを引き起こし得る疾患を念頭において鑑別診断を行う.
■BRUEは,2016年に米国小児科学会(AAP)から提唱された概念である.このなかで,lower riskの患者をみつけて,不必要な検査や入院を慎もう,と提案している.しかし,BRUEのなかでlower riskの者は限られた存在で,臨床の現場でBRUEがALTEにとって代わる概念であるかどうかは,再検討が必要である.

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