Japanese
English
解説
SIDS(乳幼児突然死症候群)とALTE
Sudden Infant Death Syndrome and Apparent Life Threatening Event
加藤 稲子
1
,
戸苅 創
1
Ineko Kato
1
,
Hajime Togari
1
1名古屋市立大学医学部小児科
1Department of Pediatrics, Nagoya City University School of Medicine
pp.329-335
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900842
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はじめに
乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome:SIDS)はそれまで健康だった乳幼児が原因不明のまま突然死亡する疾患で,欧米諸国では1940年頃から注目されるようになった.1969年にNational Institute of Child Health and Human Development(NICHD)の第2回国際会議で疾患として定義されて以来,現在では乳幼児の死亡原因の第1位として広く認識されている.わが国でも第2回国際会議での定義をもとにして1981年に厚生省心身障害研究の「乳幼児突然死研究班」において定義が決定され,その後も厚生省を中心に調査,研究が続けられており,一部の地域での発症頻度などの疫学的特徴が次第に明らかになるにつれて,わが国においても乳幼児死亡の原因として重要視されてきている.
通常,SIDSの発症はそれまで全く健康と思われていた乳幼児が,夜間あるいは午睡などの睡眠中にいっのまにか死亡しているのを発見されることがほとんどである.わが国では乳幼児が突然死した場合,SIDSの啓蒙が十分でないことに加え,これまでの社会的習慣などが関与して,窒息との鑑別が問われることが多く,場合によっては社会的な問題に発展することも稀ではない.
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