特集 臓器別に斬る小児の感染症 最適な抗菌薬の選択と期間とは?
Ⅱ 各論
1 皮膚軟部組織
壊死性筋膜炎
中村 幸嗣
1
1聖マリアンナ医科大学小児科学教室
pp.51-55
発行日 2024年10月20日
Published Date 2024/10/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001275
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サマリー
1 感染臓器:
皮膚軟部組織(表皮・真皮・筋膜・筋肉)
好発部位:新生児・乳児期 体幹,学童期以降 四肢
2 想定する微生物:
A群溶血性レンサ球菌,黄色ブドウ球菌,
腸内細菌科細菌,緑膿菌,Vibrio vulnificus.
嫌気性菌を含む複数菌による混合感染
3 提出すべき検査:
血液培養検査,試験切開により採取した組織・膿培養検査(グラム染色,薬剤感受性検査含む)
4 経験的治療:
デブリードマンは必須
ピペラシリン/タゾバクタム+バンコマイシン
メロペネム+バンコマイシン
セフェピム+メトロニダゾール+バンコマイシン
上記に加えてクリンダマイシンも併用する場合あり
5 標的治療:
A群溶血性レンサ球菌:ペニシリンGまたはアンピシリン
黄色ブドウ球菌:感受性に応じてセファゾリンまたはバンコマイシン
6 治療効果判定:
局所所見,循環動態,臓器障害,血液培養
7 Oral switch:
一般的には行わない
8 治療期間:
追加のデブリードマンが必要なく,循環動態安定など臨床的な改善が得られるまで.一般的には2週間程度となることが多い
9 参考となる成書やガイドライン:
1),2)
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