特集 「食べる」ことをめぐる問題―今,知っておきたい偏食・摂食障害・摂食嚥下障害への対処法―
Ⅲ.食べられない子どもへの対応 精神・心理面から
子どもの摂食障害の治療の現況と今後の展望
鈴木 眞理
1,2
1跡見学園女子大学心理学部臨床心理学科
2日本摂食障害協会
キーワード:
神経性やせ症
,
回避・制限性食物摂取症
,
family-based treatment
,
enhanced cognitive behavior therapy
,
自閉スペクトラム症
Keyword:
神経性やせ症
,
回避・制限性食物摂取症
,
family-based treatment
,
enhanced cognitive behavior therapy
,
自閉スペクトラム症
pp.793-798
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001083
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SUMMARY
▷COVID-19パンデミックは10歳代の神経性やせ症や回避・制限性食物摂取症の新規患者数を増加させた.
▷子どもの神経性やせ症の早期発見,早期治療,治療中のサポートに学校の役割が大きい.
▷成長期の神経性やせ症では,心理教育,現実的な栄養指導,入院治療で迅速に体重回復をはかる.
▷欧米で有効性が示されているfamily-based treatment (FBT)を日本で広めるために医療,家族,就労現場での支援が必要である.
▷enhanced cognitive behavior therapy(CBT-E)は子どもの神経性やせ症にも有効で,定期的な身体的評価と成人より厳格な入院基準,親の参加が必要である.
▷神経性やせ症や回避・制限性食物摂取症には発達症だけでなく不安障害の合併もある.
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