特集 子どもの皮膚診療を極めるために
Ⅲ 専門医への紹介が必要な皮膚疾患
皮膚腫瘍(血管腫を除く)
帆足 俊彦
1
,
大原 國章
2
1日本医科大学付属病院皮膚科
2赤坂虎の門クリニック皮膚科
pp.240-246
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000983
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診療のポイント
■石灰化上皮腫は頭頸部や上肢によくみられる,骨様に硬く触れ,表面がゴツゴツとした皮下のしこりである.炎症を起こしていなければ,自覚症状はない.
■皮様囊腫は頭頸部,特に眼囲によくみられ,出生時より存在する,非常に軟らかく触れる皮下の囊腫である.炎症を起こしていなければ,自覚症状はない.
■脂腺母斑は頭皮や顔面によくみられる赤褐色から黄色の局面である.出生時に脱毛斑として気づかれる.徐々に隆起し,まれに二次性腫瘍を生じる.
■脂肪芽腫は体幹,上腕部を好発部位とする皮下結節である.自覚症状はなく,急速に増大する.
■悪性黒色腫は一般的に「ホクロの癌」とよばれる悪性腫瘍である.不正な形状の茶褐色から黒色調の色素斑ないしは結節である.転移を生じやすく,できるだけ早期の治療が必要である.
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