特集 皮膚泌尿器科領域の腫瘍
血管腫
小堀 辰治
1
1東京逓信病院皮膚科
pp.917-924
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201825
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まえがき
最近,著者は協同研究者と共にP32を用いて血管腫,その他の皮膚疾患を治療しているが,この間にあつて,従来血管腫といわれているものは組織学的な見地から再分類する必要のあることを痛感し始めていた。それは等しく単純性血管腫といわれているものゝ中にβ線に非常によく反応するものと,然らざるものがあり,それは外観上からは判定し得ないからであつた。海綿状血管腫といわれているものについても同様で,その大部分は簡単に治癒しうる中にあつて,何としても治癒しえないものゝあることを経験している。
これ等の差異を如何に解決すべきかに興味を感じていた時,たまたま昨年暮より今年初春にかけてアメリカ皮膚科の諸クリニークを訪問する機会に惠まれ,このことについて,諸家の意見を徴した所,アメリカではこの方面にあるまとまつた見解をもつに至りつ玉あることがわかり甚だ興味深く感じた。
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