病気のはなし
皮膚癌(悪性黒色腫を除く)
帆足 俊彦
1
1虎の門病院皮膚科
pp.216-220
発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102011
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サマリー
皮膚にはさまざまな悪性腫瘍が生じる.本稿ではそのうちの有棘細胞癌,基底細胞上皮腫,パジェット病(Paget disease)について解説する.有棘細胞癌は表面に角化を伴う結節で,高齢者の顔面や上肢に好発する.基底細胞上皮腫は顔面に好発する漆黒調の一見ほくろに見える小結節である.パジェット病は外陰部に好発する一見湿疹のように見える紅斑や脱色素斑である.基底細胞上皮腫は転移を起こしにくいが,有棘細胞癌とパジェット病は所属リンパ節転移を起こしやすい.いずれも治療は手術が第一選択となる.早期であれば予後は比較的良好である.進行例では放射線治療や化学療法を併用することになる.
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