特集 産婦人科における素朴な疑問と解説(3)婦人科続編
Ⅱ.女性医学
8.どうしてLEPや子宮内システムを含むプロゲスチン療法中にときどき異常子宮出血があるの?対応法は?
楠木 泉
1
1京都府立医科大学大学院保健看護学研究科
キーワード:
LEP
,
プロゲスチン
,
異常子宮出血
Keyword:
LEP
,
プロゲスチン
,
異常子宮出血
pp.401-406
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001092
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要旨
機能性月経困難症や器質性月経困難症,過多月経の症状改善を目的とする保存的療法として行われる内分泌療法に用いられるホルモン剤には,ゴナドトロピンアゴニスト/アンタゴニスト,低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP),プロゲスチンがある.ゴナドトロピンアゴニスト/アンタゴニストは強い低エストロゲン抑制作用によるリスクのため6カ月を超える長期投与ははばかられ,長期薬物療法としてはおもにLEP,プロゲスチンが投与される.LEPとは治療目的に投与される低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬のことで,日本では避妊目的で用いられる経口避妊薬(OC)と区別して称している.LEP,プロゲスチンによる内分泌療法を行ううえで,異常子宮出血をしばしば伴うことによりアドヒアランスの低下につながることがある.本稿では,月経困難症や過多月経におもに用いられるLEP,ジエノゲスト,LNG-IUS投与時の異常子宮出血に対する工夫について解説する.

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