特集 母児を感染から守る―妊産婦の感染症アップデート―
Ⅰ.注意すべき母体の感染症
6.妊娠オウム病(gestational psittacosis)
三塚 加奈子
1
,
石本 人士
1
1東海大学医学部専門診療学系産婦人科学領域
キーワード:
妊娠オウム病
,
C.psittaci
,
母体死亡
,
胎児死亡
Keyword:
妊娠オウム病
,
C.psittaci
,
母体死亡
,
胎児死亡
pp.1113-1117
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000889
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要旨
妊娠オウム病はおもにChlamydia psittaciによる人畜共通感染症であり第4類感染症である.発熱を主としたインフルエンザ様症状や咳嗽,呼吸困難といった肺炎様症状など多彩な症状を呈する.採血では白血球低下,肝機能・腎機能障害,播種性血管内凝固症候群などの所見を認める.診断では血清抗体検査や遺伝子診断などが用いられるが発症早期の診断は困難である.治療はテトラサイクリン系やマクロライド系抗菌薬が選択されるが,早期に適切な治療介入が行われない場合には子宮内胎児死亡や母体死亡の可能性が高い.
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