指標
妊娠と糖代謝—妊娠糖尿病(gestational diabetes)に関連して
浜田 悌二
1
Teiji Hamada
1
1九州大学医学部産科婦人科学教室
pp.163-170
発行日 1979年3月10日
Published Date 1979/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206002
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妊娠中の糖質代謝は胎児発育を目的として非妊時とはかなり異なった動きを示してくる。しかも,胎児発育を目指すこれらの動きはおおむね母体には代謝負荷となるものであるため,正常な予備能を有する婦人ではその負荷に耐えられるが,予備能に異常を示す場合は臨床的にも注目すべき種々の病態像を呈してくる。これらの現象は妊娠の向糖尿病性(diabetogenicity)という言葉で表現されている。以下,妊娠時の糖代謝に関与する物質の動きとともにその代謝異常出現の表現である妊娠糖尿病(gestational diabetes)について触れたい。
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