病気のはなし
オウム病
金沢 裕
1
1新津医療センター病院内科
pp.340-347
発行日 1989年4月1日
Published Date 1989/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204914
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
サマリー
最近のペットブームにつれて,家庭での鳥の飼育が激増する一方,野生化したドバトの繁殖が著しい.これらの鳥が感染源となり,人におけるオウム病(Chlamydia psittaci感染)は想像以上に蔓延していると考えられる.本症は有効な抗生剤により簡単に治癒させることができるので,かつての"死亡率の高い感染症"というイメージからは遠ざかった.しかし,早期診断による適合抗生剤与薬の機会を逃した際は抗生剤登場以前と同様,重篤な病気であり,そのような死亡例も明らかにされている.本症の早期診断として鳥との接触を明らかにすることに加えて,病原Chlamydiaの抗原,抗体の検出による迅速診断について最近著しい進歩が見られている.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.