特集 母児を感染から守る―妊産婦の感染症アップデート―
Ⅰ.注意すべき母体の感染症
5.Mycoplasma hominis感染症
内倉 友香
1
,
杉山 隆
1
1愛媛大学大学院医学系研究科産科婦人科学教室
キーワード:
マイコプラズマホミニス
,
骨盤内膿瘍
,
妊婦
Keyword:
マイコプラズマホミニス
,
骨盤内膿瘍
,
妊婦
pp.1109-1112
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000888
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要旨
Mycoplasma hominisは泌尿生殖器系の常在菌として知られており,術後感染症や骨盤内膿瘍との関連が知られている.また,周産期領域においても流産や早産,新生児では髄膜炎や敗血症,関節炎などの合併症の起因菌として報告されている.Mycoplasma hominisは細胞壁がないため,通常周術期に使用するβラクタム系抗菌薬が無効である.そのため,治療に難渋することが多く,重症化する前に抗菌薬の変更が必要である.適切に診断・治療を行うために本菌の特徴や対策に関する知識をもっておくことは本菌による感染症の重症化を防ぐ意味でも重要であり,当院での妊婦の保菌率や抗菌薬感受性のデータも提示し概説する.
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