特集 血栓に強くなる―産婦人科診療に活かす最新知識―
Ⅰ.総論
3.凝固線溶系の見方と妊娠による変動
森下 英理子
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1金沢大学大学院医薬保健学総合研究科保健学専攻病態検査学
キーワード:
過凝固
,
Dダイマー
,
プロテインS
Keyword:
過凝固
,
Dダイマー
,
プロテインS
pp.1079-1085
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000405
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要旨
妊娠時は,プロテインS活性低下を含む血液凝固能亢進や線溶能の抑制,増大した子宮による腸骨静脈・下大静脈の圧迫,女性ホルモンの静脈平滑筋弛緩作用などの様々な要因により易血栓傾向を呈する.このような妊娠時の過凝固・線溶抑制状態は,妊娠の維持や分娩時出血の止血に合目的であるが,静脈血栓塞栓症など血栓症の危険因子ともなり得る.
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