特集 図表・チャートでパッと理解! ここまでわかった産婦人科の病態生理
第1章 周産期
B.妊娠合併症
3.甲状腺疾患合併妊娠
吉原 愛
1
1伊藤病院内科
pp.103-107
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000142
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Point
妊娠中には甲状腺ホルモンの必要量が増し,胎児の発達に関与する.妊娠期間中は特に甲状腺機能低下症にしないことが肝要である.胎児の甲状腺が機能しはじめる前は母体の甲状腺ホルモンが供給源となるため妊娠初期に甲状腺機能低下症にならない工夫が重要であり,甲状腺機能低下症が判明した際には速やかに補充を行う.甲状腺機能亢進症である,Basedow病妊婦では妊娠中期以降,甲状腺刺激抗体が胎盤を通過し,胎児甲状腺を刺激する可能性がある一方で,抗甲状腺薬,ヨウ素ともに胎盤を通過し胎児の甲状腺機能を抑制する.妊娠中期以降もBasedow病の病勢が強い場合には,胎児甲状腺機能を考慮した薬剤調整を行う.
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