今月の主題 甲状腺疾患—up-to-date
トピックス
妊娠と甲状腺疾患
百溪 尚子
1
1伊藤病院
pp.458-459
発行日 1987年3月10日
Published Date 1987/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220857
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妊娠が関わってきた場合に特別な配慮が必要となる可能性のある甲状腺疾患は,自己免疫性甲状腺疾患すなわちBasedow病,慢性甲状腺炎(橋本病),特発性粘液水腫(萎縮性甲状腺炎)である.念頭に置くべき問題としては,甲状腺機能異常による妊娠経過あるいは胎児への影響の他に,機能異常を起こしている甲状腺刺激抗体あるいは抑制抗体の,児甲状腺機能への直接作用である.また妊娠,出産は免疫能の変化を伴うことから,妊娠中や産後にこれらの疾患の経過が一時的な修飾を受けることも少なくない.
本稿では,妊娠中の甲状腺機能の判定,妊娠中のBasedow病および慢性甲状腺炎の診断法と,治療にあたっての留意点と治療法,児に甲状腺機能低下症のみられる場合のある特発性粘液水腫について述べる.
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