特集 図表・チャートでパッと理解! ここまでわかった産婦人科の病態生理
第1章 周産期
A.妊娠中の産科異常
11.羊水量の異常
小松 篤史
1
1日本大学医学部産婦人科
pp.68-73
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000135
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Point
羊水は絶えず入れ替わっていて,その量は妊娠期間を通じて厳密に調整されている.妊娠初期の羊水量調節のメカニズムは不明な部分が多いが,おもに羊水は母体血漿由来で静水圧および浸透圧により卵膜から滲出してくると考えられている.中後期のおもな羊水の産生源には①胎児尿および②肺胞液があり,一方でおもな羊水の吸収は③胎児嚥下および④臍帯・胎盤表面の血管を介した膜間移行(intramembranous pathway)があると考えられている.羊水量の異常は,羊水量の調節機構が破綻しこれらの産生と吸収のバランスが崩れた場合に起こる.
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