特集 図表・チャートでパッと理解! ここまでわかった産婦人科の病態生理
第1章 周産期
A.妊娠中の産科異常
10.一絨毛膜性双胎に関連した病態
山本 瑠美子
1
,
石井 桂介
1
1大阪母子医療センター産科
pp.59-67
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000134
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一絨毛膜(MC)双胎では,二絨毛膜(DC)双胎と比較し周産期死亡率は2~3倍1)2),神経学的後遺症は7倍3)と予後不良である.特にMC双胎は妊娠24週までの胎児死亡が多く,妊娠25週以降の死亡率の差は有意でないことが示されている4).MC双胎の共通胎盤には複数の吻合血管が存在し,両児間を血液が移動する.また,それぞれの胎児の胎盤占有領域に不均衡が生じる.妊娠24週以前の胎児死亡には,これらの胎盤の解剖学的特性に起因するMC双胎特有の病態が関連していると推察されている.MC双胎特有の疾患について概説する.
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