特集 図表・チャートでパッと理解! ここまでわかった産婦人科の病態生理
第1章 周産期
A.妊娠中の産科異常
3.絨毛膜羊膜炎・胎児炎症反応症候群(FIRS)
下屋 浩一郎
1
1川崎医科大学産婦人科学
pp.23-27
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000127
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子宮内の感染は絨毛膜羊膜炎を引き起こして前期破水,早産を引き起こすとともに胎児感染を引き起こす.感染ならびに炎症に伴う新生児の合併症として慢性肺疾患である気管支肺異形成(BPD)や中枢神経系において脳室周囲白質軟化症(PVL)が生じやすいこと,さらに結果としてcerebral palsy(脳性麻痺)に至ることがある.これらの児の予後不良因子においても子宮内感染とサイトカインを介したシステムが関与していることが明らかとなった.さらにこうした子宮内感染に対する児の障害としてfetal inflammatory response syndrome(FIRS)という概念が構築され,サイトカインストームによって新生児に様々な臓器障害,敗血症をきたして最悪の場合死に至る.
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