特集 子宮体部悪性腫瘍の最前線
Ⅰ.研究の最前線
1.子宮内膜がんの発がん分子機構
京 哲
1
1島根大学医学部産科婦人科
キーワード:
子宮内膜がん
,
遺伝子変異
,
分子生物学分類
Keyword:
子宮内膜がん
,
遺伝子変異
,
分子生物学分類
pp.229-238
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000063
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要旨
子宮内膜がんは従来から,増殖症を経てエストロゲン依存性にがん化するtype 1(類内膜がん)と,萎縮内膜からde novoに発生するtype 2(漿液性がん)に分類され,両者は形態の違いにより分類されていた.近年,The Cancer Genome Atlasによる統合的ゲノム解析結果から子宮内膜がんを4つに分類する分子生物学的分類法が提唱され,臨床にも応用されつつある.これは従来の形態診断から,ゲノム異常の違い,すなわち発がん分子機構の違いにより分類する方法で,分子生物学的特性を治療に反映させようとするものである.この分類法を活用するには,内膜がんの発がん分子機構の基本を理解する必要があり,本稿ではこの点について解説を加える.
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