特集 日常診療で出会ったら? アルコール・薬物・ギャンブル・ゲーム依存を知る
物質依存
処方薬依存の症状と治療
平野 祥子
1
,
小林 桜児
1
1神奈川県立精神医療センター
キーワード:
処方薬
,
ベンゾジアゼピン
,
Z系
,
常用量依存
,
離脱症状
Keyword:
処方薬
,
ベンゾジアゼピン
,
Z系
,
常用量依存
,
離脱症状
pp.1401-1404
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001594
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Headline
・近年,睡眠薬・抗不安薬の依存が深刻化しており,2024年度の全国調査では,覚醒剤依存に次いで多かった.
・薬の入手先は,医療機関(精神科)が73.6%,医療機関(身体科)が34.4%であり,内科・外科・整形外科などでも処方薬依存の患者に出会う可能性が高い.
・薬物依存に陥る背景には,虐待・ネグレクト・いじめなどの逆境体験が存在することが多い.
・ベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZDs)・Z系薬剤の特徴として,離脱症状のため減薬が困難になる他,常用量依存を生じる可能性がある.このため減量・中止に工夫が必要である他,導入時のアセスメントが重要となる.
・不眠や不安を訴える患者に安易に向精神薬で対処するのではなく,問題の背景に目を向けることが大切である.また処方薬の乱用・依存が推測される場合は依存症専門医療機関へつなげる工夫が望ましい.

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