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特集 ベンゾジアゼピン受容体作動薬の問題点と適正使用
ベンゾジアゼピン受容体作動薬依存・乱用の実態
Trends of Benzodiazepine Receptor Agonist Dependence and Abuse
成瀬 暢也
1
Nobuya Naruse
1
1埼玉県立精神医療センター
1Saitama Prefectural Psychiatric Hospital, Saitama, Japan
キーワード:
ベンゾジアゼピン
,
benzodiazepine
,
乱用
,
abuse
,
依存
,
dependence
Keyword:
ベンゾジアゼピン
,
benzodiazepine
,
乱用
,
abuse
,
依存
,
dependence
pp.377-386
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206039
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抄録 わが国の薬物乱用・依存問題は,危険ドラッグ問題にみられるように,「使っても捕まらない薬物」にシフトしている。その代表がベンゾジアゼピン受容体作動薬(以下,BZ)である。その大半は医療行為として医療機関で処方される。BZを主とする鎮静薬は,精神科医療機関を受診する薬物関連障害患者の17.7%,「1年以内に使用のある例」の29.9%にも及び,いずれも覚せい剤についで第2位を占める。特徴としては,覚せい剤関連患者に比して,女性の割合が高く(52.2%),学歴は高く,気分障害(27.1%),神経症性障害・ストレス関連障害など(26.7%)の治療経過で依存症となる例が多い。医原性の要素が強いことから,処方するだけの治療に陥ることなく,処方医はそのリスクを十分認識した対応が求められる。重要なのは,長期処方,多剤処方,求められるままの処方などによって,不用意に処方薬依存を作らないことである。
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