特集 検体検査のポイントとピットフォール 診察室にこの1冊
B.確定診断に用いる検査
3.鉄代謝マーカー(Fe,フェリチンなど)[生化学的検査]
海老原 康博
1
1埼玉医科大学国際医療センター臨床検査医学
pp.186-190
発行日 2025年3月24日
Published Date 2025/3/24
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001254
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Summary
1.鉄の体内動態とそこに関与する因子を理解することは,鉄代謝異常の病態を把握するために大切である.
2.鉄代謝を評価するには,血清鉄の測定だけではなく,総鉄結合能(TIBC)・不飽和鉄結合能(UIBC),フェリチンやトランスフェリン飽和度(TSAT:Fe/TIBC)の測定も重要である.
3.悪性腫瘍,感染症,自己免疫疾患などにみられる炎症性貧血(AI)と鉄欠乏性貧血の鑑別に,血清フェリチンは有用であるが,両者が合併していることもあり,臨床所見やその他の検査所見を総合的に判断すべきである.

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