特集 検体検査のポイントとピットフォール 診察室にこの1冊
B.確定診断に用いる検査
2.白血球細胞表面マーカー[血液学的検査]
山中 育未
1
,
國﨑 祐哉
1
1九州大学大学院医学研究院臨床検査医学分野
pp.181-185
発行日 2025年3月24日
Published Date 2025/3/24
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001253
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
1.血液細胞の表面抗原の発現様式を調べる検査が細胞表面マーカー検査であり,血液疾患の診断,リンパ球サブセット解析,治療効果判定,造血幹細胞採取におけるCD34陽性細胞数測定などに応用されている.
2.フローサイトメトリー(FCM)法では細胞の表面蛋白に結合する抗体を蛍光標識し,細胞にレーザー光を当て,散乱光の具合や蛍光強度を調べる.散乱光のうち,前方散乱光によって細胞の大きさを,側方散乱光によって細胞内の顆粒など内部構造を解析する.
3.白血病の芽球においてはCD45ゲーティング,多発性骨髄腫についてはCD38やCD138ゲーティングを用いる.
4.B細胞性リンパ腫や多発性骨髄腫など,成熟B細胞性腫瘍では,免疫グロブリン軽鎖(FLC)の偏りが重要な所見である.

Copyright © 2024, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.