増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
血液化学検査
114.血清鉄,鉄結合能,フェリチン
内田 立身
1
1福島県立医科大学・第1内科
pp.1900-1901
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222803
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●異常値を示す疾患
鉄は生体において,大別してヘモグロビンと貯蔵鉄に存在しているので,鉄および貯蔵鉄であるフェリチンは,ヘモグロビン合成障害をきたす各種の貧血,鉄貯蔵臓器である肝の障害および分布異常が示唆される二次性貧血などで異常値を示す.詳しくは表のとおりである.
血清鉄は鉄欠乏性貧血,潜在性鉄欠乏,二次性貧血で低値であるが,総鉄結合能(TIBC),フェリチンを同時に測定すると各々を鑑別できる(図1).血清鉄高値は造血障害,鉄過剰,肝細胞障害による逸脱などでみられる.
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