原著
がん関連静脈血栓塞栓症に対する直接経口抗凝固薬の使用状況と患者適正モニタリングの検討
石川 雄大
1
,
髙木 昭佳
1
,
加藤 敦
1
1富山大学附属病院薬剤部
キーワード:
腫瘍循環器学
,
がん関連血栓症
,
静脈血栓塞栓症
,
直接経口抗凝固薬
,
がん化学療法
Keyword:
腫瘍循環器学
,
がん関連血栓症
,
静脈血栓塞栓症
,
直接経口抗凝固薬
,
がん化学療法
pp.134-139
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001112
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要 旨
がん患者は静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)の発症率が高いが,治療薬である直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants:DOAC)の使用状況やその患者背景の詳細な情報は少ない.本研究では血栓症を発症したがん患者27名を調査した.DOAC投与中に患者の体重は有意に低下した.VTEの再発悪化はなく,臨床的に重要な出血が1件発生した.17名がDOAC投与中に化学療法を実施され,DOAC開始時より血小板が有意に低下した.がん患者のVTE治療中は体重減少や化学療法による血小板減少,相互作用を生じる抗がん薬の使用といったDOACの血中濃度を変化させ得る事象が発生するので,DOAC適正使用のためには継続的な患者モニタリングが望ましいと示唆される.
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