特集 よくわかる! 精神疾患対応 これ1冊―内科医と精神科医の連携のために
第1部 精神科との相互理解を基盤とした連携に向けて
3 精神療法と心理社会的アプローチ
中川 敦夫
1
1聖マリアンナ医科大学神経精神科教室
pp.16-24
発行日 2024年3月26日
Published Date 2024/3/26
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000646
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Summary
1.精神疾患の治療にあたっては,生物学・心理学・社会学の側面から総合的なアプローチでなされる.
2.精神疾患の症状に伴う苦痛と健康の喪失に伴う苦悩に対して,心理社会的治療として環境調整や精神療法,リハビリテーションなどが実施される.
3.広義の精神療法は,患者の話に耳を傾け,受け止め,説明と適度な助言などを基盤に,医師患者関係を維持しながら,現在患者がもっている資質を十全に活かせるように適応力を向上させることを目指す.
4.狭義の精神療法は,治療理論に沿って行う構造化された面接を一定期間積み重ねることにより,対象となる人のパーソナリティや考え方の変化や成長を積極的に目指す.
5.精神療法の1つである認知行動療法はその有効性が臨床試験により実証され,うつ病,不安症,強迫症に対する効果量は薬物療法と同等であることが確認されている.
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