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薬剤性甲状腺機能異常症:抗PD-1抗体による甲状腺障害の基礎と臨床
安田 康紀
1
,
岩間 信太郎
1
,
有馬 寛
2
1名古屋大学医学部附属病院糖尿病・内分泌内科
2名古屋大学大学院医学系研究科糖尿病・内分泌内科学
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬
,
抗PD-1抗体
,
irAE
,
甲状腺障害
,
抗Tg抗体
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬
,
抗PD-1抗体
,
irAE
,
甲状腺障害
,
抗Tg抗体
pp.665-668
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000264
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Headline
1 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による免疫関連有害事象(irAE)の発症が問題となっており,内分泌irAEでは抗PD-1抗体による甲状腺障害の発症頻度が高い.
2 抗PD-1抗体による甲状腺障害の発症には抗PD-1抗体治療開始前の甲状腺自己抗体の存在が発症リスク因子であり,発症機序として細胞傷害性CD4陽性T細胞から放出されるグランザイムBによる直接的な甲状腺組織傷害の関与が示唆されている.
3 ICI治療を安全に継続するためには,ICI治療開始前での甲状腺自己抗体を含む甲状腺機能のフォローと内分泌専門医との連携が重要である.
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