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増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020
4.皮膚疾患治療のポイント
本邦悪性黒色腫治療のnew data—末端黒子型への抗PD-1抗体治療効果(JAMP study)
New data of the treatment for Japanese melanoma patients:the efficacy of anti-PD-1 antibody for acral melanoma patients(JAMP study)
中村 泰大
1
Yasuhiro NAKAMURA
1
1埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科・皮膚科
1Skin Oncology/Dermatology, Saitama Medical University International Medical Center, Hidaka, Japan
キーワード:
悪性黒色腫
,
末端黒子型黒色腫
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
分子標的薬
,
抗PD-1抗体
Keyword:
悪性黒色腫
,
末端黒子型黒色腫
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
分子標的薬
,
抗PD-1抗体
pp.145-149
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206042
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summary
現在進行期悪性黒色腫で用いられる免疫チェックポイント阻害薬は海外第III相臨床試験にてその有効性が確認され,本邦でも日常診療で用いられている.一方で,実臨床では海外臨床試験ほどの効果は得られないことを実感する.これは欧米と本邦を含めたアジア諸国での悪性黒色腫の病型の割合の違いによると推察されている.そこで,多施設共同研究により効果が低いと考えられている末端黒子型黒色腫を193例集積し,抗PD-1抗体の効果につき後ろ向きに検討した.奏効率は16.6%,全生存期間中央値は18.2か月とやはり海外の成績には及ばず,かつ爪部と掌蹠発生例を比較したところ,爪部発生例にて有意に奏効率および全生存期間が低かった.爪部発生例での抗PD-1抗体効果には限界があり,今後複合免疫療法を含めた新たな治療の開発が急務と考えられる.
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