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エボラ出血熱 過去最大の流行から得られた知見と今後の国内対応
加藤 康幸
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1国立国際医療研究センター国際感染症センター 国際感染症対策室
キーワード:
モノクローナル抗体
,
アルゴリズム
,
ウイルス量
,
出血熱-エボラ
,
輸入感染症
,
疾病の流行
,
Favipiravir
,
病態生理
Keyword:
Communicable Diseases, Imported
,
Algorithms
,
Antibodies, Monoclonal
,
Hemorrhagic Fever, Ebola
,
Viral Load
,
Epidemics
,
Favipiravir
pp.936-940
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016044804
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患者数が28,000人を超える過去最大の西アフリカにおけるエボラ出血熱の流行は,2014年11月頃をピークに終息に向かっている.急性腎障害や肺水腫,意識障害などが出現する臓器不全期に人工呼吸や血液浄化療法などが行われた欧米の症例では,大幅に致死率が下げられた.感染成立に必要なウイルス量は小さく,高度のウイルス血症を伴うことから,医療従事者の感染防止が課題となっている.サハラ以南アフリカには,マールブルグ病,ラッサ熱,クリミア・コンゴ出血熱などのウイルス性出血熱も常在している.サハラ以南アフリカに滞在歴のある旅行者の発熱は,蓋然性の高いマラリアをまず除外することが重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2015