特集 ポストコロナ時代の感染症診療
第II章 感染症診療各論
[4]呼吸器感染症
7 肺真菌症
亀井 克彦
1
1石巻赤十字病院感染症内科
pp.127-131
発行日 2023年3月23日
Published Date 2023/3/23
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000140
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Summary
1.COVID-19パンデミックの期間で,肺アスペルギルス症,ムーコル症の合併例が多く報告され,その多くは予後不良であった.特にCOVID-19に合併したアスペルギルス症は病型がやや異なっており,既成観念にとらわれない対応が必要であった.
2.ポストパンデミックの影響にはまだ不明の点が多いが,long COVID-19をはじめ,様々な後遺症が報告されている.肺後遺症の一部は真菌感染の母地になることが懸念される.
3.コロナ禍の間も気候変動は着々と進んでおり,地域流行型の真菌症(輸入真菌症)では流行地の変動,拡大が続いている.また,台風,洪水などにより家屋内の真菌の大量増殖が原因となった真菌症も発生しており,今後思わぬ形で日本が巻き込まれる可能性が考えられる.
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