特集 増えている大人の消化管アレルギー
食物アレルギー 口腔アレルギー症候群
中村 陽一
1
1横浜市立みなと赤十字病院 アレルギーセンター
キーワード:
Allergens
,
交差反応
,
口腔アレルギー症候群
,
花粉・食物アレルギー症候群
Keyword:
Cross Reactions
,
Allergens
pp.923-927
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2021278692
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<Headline>1 口腔アレルギー症候群(Oral allergy syndrome:OAS)は、口唇・口腔・咽頭粘膜における即時型アレルギー症状の一病型であり、一般に軽症だが、時にアナフィラキシーをきたすこともある。2 OASは花粉-食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome:PFAS)の病態により発症するものが多い。3 PFASは、感作経路と症状発現部位が異なる食物アレルギー(クラス2食物アレルギー)に分類されるが、OASはクラス1・クラス2アレルギーいずれの機序によっても生じる。4 PFASの主な原因は、タンパクであるBet v 1ホモログとプロフィリンは一般的に消化酵素や熱によって変性または分解されるため、通常は全身反応が生じにくい。5 OASの治療と管理は、他の食物アレルギーと同様に「原因食物の除去」が基本であり、ヒスタミンH1受容体拮抗薬の継続的な内服によりある程度の症状緩和は期待できる。
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