総説
LEADER試験におけるリラグルチドの安全性および有効性 主解析および追加解析のレビューと日本人患者における臨床的意義
室原 豊明
1
1名古屋大学 大学院医学系研究科循環器内科
キーワード:
消化管疾患
,
危険因子
,
血糖
,
糸球体濾過量
,
心筋梗塞
,
腎臓疾患
,
生活の質
,
胆管炎
,
皮下注射
,
糖尿病-2型
,
二重盲検法
,
網膜疾患
,
多施設共同研究
,
治療成績
,
比例ハザードモデル
,
ランダム化比較試験
,
Liraglutide
,
胆嚢炎-急性
,
TNNI3 Protein
Keyword:
Blood Glucose
,
Multicenter Studies as Topic
,
Myocardial Infarction
,
Liraglutide
,
Glomerular Filtration Rate
,
Injections, Subcutaneous
,
Kidney Diseases
,
Gastrointestinal Diseases
,
Cholangitis
,
Troponin I
,
Proportional Hazards Models
,
Treatment Outcome
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Double-Blind Method
,
Risk Factors
,
Quality of Life
,
Retinal Diseases
,
Cholecystitis, Acute
pp.419-427
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2021176087
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LEADER試験は、大規模な国際共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検の心血管アウトカム試験であり、心血管リスクの高い2型糖尿病患者を対象に、リラグルチドの安全性・有効性をプラセボと比較した試験である。本稿では、LEADER試験の主解析および追加解析結果から得られたリラグルチドの安全性および有効性の最新データをまとめた。LEADER試験では9340例(男性64.3%、平均64.3歳)の2型糖尿病患者が無作為化された。3ポイント主要心血管事象(3P-MACE)のリスクはリラグルチド群の方がプラセボ群と比べ有意に少なく、リラグルチドの非劣性および優越性が示された。ベースライン時のインスリン使用の有無で層別化したサブグループを対象としてリラグルチドの長期的な有効性を調査した事後解析では、プラセボ群と比較してリラグルチド群での有意な体重減少、LDL-C値および収縮期血圧の改善傾向が報告された。また、サブ解析によりリラグルチド群ではプラセボ群と比較して血糖コントロール増悪リスクが有意に低いことが示された。日本においても、2型糖尿病患者のうち特に心血管系疾患の既往があるか心血管リスクの高い患者の治療に対し、リラグルチドを注射薬の第一選択として検討することが可能と考えられた。
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