総説
2型糖尿病患者を対象とした国内外の第3a相試験におけるセマグルチドの有効性と安全性
稲垣 暢也
1
1京都大学 大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学
キーワード:
消化管疾患
,
嘔吐
,
悪心
,
血圧
,
Glycated Hemoglobin A
,
血糖
,
体重変化
,
糖尿病-2型
,
第III相試験
,
Semaglutide
Keyword:
Blood Glucose
,
Body Weight Changes
,
Blood Pressure
,
Nausea
,
Glycated Hemoglobin A
,
Gastrointestinal Diseases
,
Vomiting
,
Clinical Trials, Phase III as Topic
,
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Semaglutide
pp.945-953
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2020331356
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2型糖尿病の治療において、グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1RA)は血糖コントロール、低血糖リスクの低減、体重減少の観点から有用性が期待されている。セマグルチド(ノボノルディスク社、デンマーク)は週1回皮下投与のGLP-1RAである。第3a相国際共同試験(SUSTAIN 1-5試験)では、その安全性プロファイルが他のGLP-1RAと同様であり、HbA1c低下効果はプラセボおよび対照薬に比べて優れ、体重減少が認められた。セマグルチド群で最も高頻度に発現した有害事象は、胃腸障害であった。また、日本人2型糖尿病患者を対象とした国内2試験では、セマグルチドの有効性および安全性に、SUSTAIN 1-5試験との違いは認められなかった。本稿ではSUSTAIN 1-5試験および国内2試験におけるセマグルチドの有効性と安全性を概説する。
Copyright© 2020 SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.