特集 動脈硬化進行予防のための肥満・脂質異常診療戦略
動脈硬化予防のための肥満・脂質異常の治療 小児期における肥満・脂質異常症の治療
土橋 一重
1
1塩山市民病院 小児科
キーワード:
高リポタンパク質血症II型
,
脂質異常症
,
X線CT
,
動脈硬化症
,
肥満
,
HMG-CoA Reductase Inhibitors
,
基準値
,
早期診断
,
腹腔内脂肪
,
腹囲
,
生活指導
Keyword:
Hydroxymethylglutaryl-CoA Reductase Inhibitors
,
Arteriosclerosis
,
Obesity
,
Hyperlipoproteinemia Type II
,
Reference Values
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Waist Circumference
,
Intra-Abdominal Fat
,
Dyslipidemias
,
Early Diagnosis
pp.1381-1385
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2021018155
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<Headline>1 肥満を正しく判定する。小児の場合、BMIでなく、標準体重との隔たりをみる「肥満度」を用いる。内臓脂肪過剰蓄積はCTでみるのが正確だが(60cm2以上)、ウエスト周囲長(腹囲)を測定し評価する(80cm以上)。2 合併症の有無と程度を調べる。合併症を有する場合「肥満症」となり、肥満度の軽減を図る治療が必要となる。小児肥満の治療は、食事と運動で、身長増加以上に体重が増えないように指導する(通常減量はしない)。3 脂質異常症は早期に発見する。特に、家族性高コレステロール血症(FH)の発見に努める。高トリグリセライド血症、シトステロール血症も重要である。甲状腺機能低下症など続発性にも注意する。4 FHには適切に対処する。まず、生活習慣の指導を行い、男女とも10歳以上、LDL-C 180mg/dL以上で薬物療法を考慮する。第一選択薬はスタチンとする。5 小児期から正しい生活習慣を身につけ、特に肥満にならないように気をつける。
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