症例報告
抗NMDA受容体脳炎女児例における早期診断のポイント
沼田 遥
1
,
日暮 憲道
,
小竹 悠子
,
山田 哲史
,
齋藤 義弘
1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科
キーワード:
行動症状
,
失語症-Broca
,
髄液
,
早期診断
,
脳炎-抗NMDA受容体
,
脳波
,
髄液検査
Keyword:
Cerebrospinal Fluid
,
Aphasia, Broca
,
Behavioral Symptoms
,
Anti-N-Methyl-D-Aspartate Receptor Encephalitis
,
Brain Waves
,
Early Diagnosis
pp.973-976
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00642.2020295415
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抗NMDA(N-methyl-D-aspartate)受容体脳炎は、発症早期に統合失調症様症状が前景となるため、精神疾患との誤診が少なくない。小児例はまれではないが小児科医の認識はいまだ不十分であり、診断・治療の遅れを助長している。ていねいな問診と神経診察から早期に本症を疑い得た12歳女児例を経験した。精神症状の特徴、局所脳神経障害の検出に加え脳波、髄液検査を遅滞なく行い、本症の可能性を考慮することが重要である。
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