特集 小児血液・腫瘍疾患の最前線
診療のトピックス 血友病に対する治療の新展開
野上 恵嗣
1
1奈良県立医科大学 小児科
キーワード:
血液凝固検査
,
血液製剤
,
血友病A
,
同種抗体
,
臨床試験
,
服薬指導
,
Emicizumab
,
Circulating Anticoagulants
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Blood Coagulation Tests
,
Isoantibodies
,
Hemophilia A
,
Emicizumab
,
Circulating Anticoagulants
pp.471-477
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00642.2020164992
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●血友病Aの治療の原則は第VIII因子製剤の定期補充療法であり、血友病性関節症の発症が抑制され、QOL向上に大きく貢献している一方、頻回の経静脈内投与、血管アクセス、同種抗体(インヒビター)出現等が重大な課題であった。●そこで、活性型第VIII因子機能を代替するヒト型bispecific抗体(emicizumab)が開発された。●臨床試験では著明な出血抑制効果を示し、現在、インヒビター有無に関係なく先天性血友病A患者の出血予防の定期皮下投与として使用されている。●一方、バイパス止血製剤との併用による血栓症発症、止血モニタリング、周術期止血管理など、多くの課題があげられており、今後、症例を集積していくことが重要である。
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