一般内科外来でみる出血傾向 「ぶつけてないのにアザ!」にあわてない 凝固異常を生じる主な疾患の診断と治療
血友病
武山 雅博
1
1奈良県立医科大学 小児科
キーワード:
血友病B
,
血友病A
,
同種抗体
,
活性化血液凝固第VIII因子
,
活性化血液凝固第IX因子
,
Circulating Anticoagulants
Keyword:
Hemophilia B
,
Hemophilia A
,
Isoantibodies
,
Factor VIIIa
,
Factor IXa
,
Circulating Anticoagulants
pp.251-254
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014279911
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血友病はもっとも代表的な先天性凝固異常症である.血友病A(B)では第VIII(IX)因子の活性が低下~欠乏するために,幼少時からさまざまな出血症状をきたす.血漿由来第VIII(IX)因子製剤や遺伝子組換え型第VIII(IX)因子製剤の投与により,血友病患者は重篤な出血症状を回避することができるようになった.以前は出血時に凝固第VIII(IX)因子製剤を投与すること(出血時補充療法)が一般的であったが,最近では,出血を予防するために定期的に製剤を投与する定期補充療法が普及してきており,関節出血の頻度が減少し,血友病患者のQOLは高くなってきている.しかし,製剤投与のための小児,とくに乳児における静脈注射の困難さや,インヒビターの発生など克服すべき課題も多いのが現実である.
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