アフェレシス療法-新たな100年に向けて 適応となる疾患とその実際
血液疾患
上田 恭典
1
1倉敷中央病院 血液内科
キーワード:
移植片対宿主病
,
プラスマフェレーシス
,
クリオグロブリン血症
,
血液疾患
,
血液製剤
,
血液成分除去法
,
血液粘度
,
同種抗体
,
紫斑病-血栓性血小板減少性
,
赤血球
,
白血球分離
,
溶血性尿毒症症候群
,
リンパ腫-皮膚T細胞性
,
造血幹細胞移植
,
Circulating Anticoagulants
,
過粘稠度症候群
Keyword:
Blood Component Removal
,
Blood Viscosity
,
Cryoglobulinemia
,
Erythrocytes
,
Graft vs Host Disease
,
Hematologic Diseases
,
Hemolytic-Uremic Syndrome
,
Leukapheresis
,
Isoantibodies
,
Purpura, Thrombotic Thrombocytopenic
,
Plasmapheresis
,
Lymphoma, T-Cell, Cutaneous
,
Hematopoietic Stem Cell Transplantation
,
Circulating Anticoagulants
pp.81-86
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015260352
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
血液疾患に対するヘムアフェレシスは,アフェレシス治療の創生期から重要な位置を占めてきた.TMAとADAMTS13の関係が明らかにされ,TTPに対する血漿交換の有効性と,HUSに対しては通常適応のないことが明らかとなった.非典型HUSに対しては,診断が確定してからeculizmab使用までの橋渡しの治療となる.過粘稠症候群やクリオグロブリン血症に対して,免疫グロブリンの除去は有効である.血球除去は,白血球,血小板増加による循環障害や出血傾向に対する救急的治療として有効である.半減期の長い赤血球の増多に対しては,維持療法としても用いられる.ECPは,Tリンパ球を中心とする免疫担当細胞に作用することで,皮膚T細胞性リンパ腫や同種移植後の移植片対宿主病,強皮症などに有効であり,アフェレシスを利用した細胞療法として注目される.
©Nankodo Co., Ltd., 2015